エロゲ話

新しく何か遊んだというわけでもないのだけれど
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/3509/o18/eroge.html
このレビューサイト見ていて思ったことが幾つか


「んー、お前に合うタイプのレビューサイトではないようだけれど?
根底のテーマとか、物語の中におけるキャラクターの役割とかにさして興味ないでしょう」


基本的には、ね


腐り姫
Forest
CROSS†CHANNEL
Fate


この辺のレビュー読んだ上での話
っつかCROSS†CHANNELの評価低いって! ムギャオー!


「ああ、そういう話か」


そういう話だ
別に批評は何とも思わないが、腐り姫と比較しての扱いは少し違う気がする
まあ腐り姫を業界最高峰の作品として考えているようなので感覚は分かるのだけれど


腐り姫の評価、お前もそこそこ高くなかったっけ」


とうかんもりという舞台は好き
何度も世界の終わりを繰り返す中で、少しずつ過去の真実に近づいていく書き方も良かったと思う
名前は忘れたがホモい兄ちゃんも格好良かった
過去の真実が解明する部分までは間違いなく高く評価している筈
ラストのアレはどうよ、とは思った
というかあそこで一気に力が抜けた


「とうかんもりとは別個の存在としての超越者、狂言回しといいう理由付けに関しては?」


物語は樹里の話で完結しており、あとはエピローグであるってのは真実だろうな
残された余分は蔵女の正体と目的、繰り返す四日間の謎
…………やっぱりアレはないだろう
とうかんもりと別個の存在であるべきって意見が理解できない
あそこまで高いレベルで築き上げてきた作品全体の雰囲気を維持できるのならば、それに越したことはないと考える
この辺は、多分根本的に求めるものが違っているせいだと思うが


CROSS†CHANNELでのループは?」


空気感崩したりはしていないだろ
それに、腐り姫とはループの占める位置が異なる
以下、前に書かなかったネタばれアリアリでのCROSS†CHANNELの感想




このゲームはループものだ
放送部の八人は記憶を失いながら同じ一週間を繰り返すことになる
しかもこの八人は全員狂人で、学校のように描写されていたのは精神障害者更生施設で、主人公の黒須太一は人間らしい感情なんて殆ど理解できない異常者だ
太一は『まともな人間なら、こういうとき楽しいと思う筈だ』という知識に縋って笑い、自分では理解もできない幸せの為に、バラバラになった放送部を纏めようと奔走する


だからこそ、霧の一言が痛い


「怪物と人間が分かり合って仲良くなれる、などという妄想は捨てて下さい
それは人間に対する侮辱です
ありえません
あなたほどに完璧な怪物は見たことがありませんから
狂人の中の狂人
狂えるものたちの頂点
それが、あなたです」
胸に、痛みを感じた。
ああ、この子は――なんて、人を見る目があるのだろう。


異端でありながら普通を夢見る太一
彼の成長こそが、このゲームの核だ
その一週間を記した日記のみを次週の自分に残し、やがては自分自身の記憶をも持ち越す手段を確立して気付く事実
この世界は、例え何百回繰り返そうとも、皆の関係が修復できるようなハッピーエンドは有り得ない
一周目のようなエンディング、太一が夢見る幸せな学園生活が実現することは決してない
社一杯に詰め込まれた、バッドエンドへと到る日記
ここは格好良かったなあ



っつーか上のサイトでの感想、このゲーム攻略順位の選択なんてロクにできないと思うんだが
霧と冬子のどっちを先に攻略するか、くらいじゃないか、選べるのは
しかも、この時点で太一はループの存在に気づいていない為、攻略順位でテキスト変わるわけがないと思うのだけれど
何であんな結論になるのか分からん
選択肢一つ一つ潰したって、本当か?
まあ、そもそも僕は繰り返し部分を面倒くさいとも思わなかったし


「そうなの?」


内容でかぶる部分そんなに多くないと思うのだけれど
個別ルートに入った時点で殆ど重ならなくなるし、一周目と二周目では細々と伏線張ってるし、かぶる部分はスキップが効く
色々言っているが単純にテキストの好みが合わないだけだろ
先に言っておくが、この作品の批評に関しては、このレビューに殆ど同意できない
というか、むしろ腹が立つ
もしこの作品に充分満足していたとしても、この管理人は
腐り姫の影響を受けて素晴らしい作品が誕生した』
だのといいそうで、根本的に相容れない


「別の作品の信者二人が理解しあえるはずもないだろ
あと、似てる内容だったらそういう感想にもなるんじゃん?」


内容似てるか?
腐り姫が、繰り返す時間の中でばらばらのピースとなった物語を完成させる話
核は主人公と樹里とのラブストーリー
CROSS†CHANNELは、閉鎖された環境の中で太一が成長していく話
記憶の持ち越し手段がある時点で、ループ自体の持つ意味合いって全然違うと思うんだがね
あれ、そもそも腐り姫って何で四日間を繰り返していたんだっけか?
記憶戻すこととの因果関係が分からないのだけれど……何か忘れてるかな


「主人公の周囲の人間を物語からスピンアウトさせていく為じゃないかな
バイツァダストみたいな感じで」


ふむ
で、太一はループの存在に気づいた時点で、それをシステムとしてフル活用し始める
ミキの懐柔に失敗した時点で完全に他者との接触を絶ち、
『今回は失敗した。次の週へ行こう』
個人的には、太一が一番狂っていると思ったシーンはここ
太一は、最終的にミキを救うために現在のミキを見捨てるという行動に一切の疑問を持たない




ちなみに、メインヒロインを設定するならば曜子というのには同意
というか、普通にメインヒロインは曜子だと思っているわけだが
文字通り異常なヒロイン群の中、太一が唯一特別視していたのが曜子だし、最も太一と密接に壊れているのは彼女だろう
太一を徹底的に壊した人物であり、最も太一に依存している人物でもある
彼女が言う一心同体という表現は的を射ている
太一にとっての曜子は自己嫌悪の対象であり、曜子にとっての太一は自己愛の対象
だからこそ、あの流れで曜子が残ってはいけないと思うわけだが
形はどうあれ、太一と曜子は相互補完できてしまう
太一が初めて他者を求めることができるようになるには、絶対的な孤独に放り込む必要があったんだと思うね
近づく者全てを傷つけてしまう恐怖から解き放たれた先にあったのは、やはり絶望
それを経て、初めて太一は他者を求めることができるようになる
自分一人しかいない世界に残り、他人を求めることを知り、いつ消えるともしれない世界で、太一はアンテナを組み立てて世界へと発信する
『とりあえず生きてる人、います? ……もしいたら、なんつうか、生きてください 死ぬまでは生きてください』
…………これにテーマ性がないとかって感想も分かんねえなあ
このレビュー読んだときの気持ちの悪さは、いっとき大暴れしていた月厨がパクリパクリ騒いでいたときのそれに近いのかな


「まあ、落ち着け
世間での評価があまり上がらないだろうって予想も綺麗に外してるわけだし」


無関係無関心無関係無関心無関係無関心
まあ、そうだな


「…………嫌な呪文だな、おい」





Forestの感想は面白いし、概ねの部分で同意
ただ一点意見を異にするのはクライマックス直前の部分
あの盛り上がるシーンで、メタ視点でプレイヤーを巻き込む意味は無いだろう
個人的にはあそこが一番引っかかった部分だったな
http://kaiho.main.jp/pukiwiki/pukiwiki.php?Forest
初めて存在を知った元ネタ辞典
並べてみると、この内容の凄まじさが分かる


まあ、並ぶものがない作品ってのは事実だと思うよ
そもそものベクトルが違うだけじゃないか、という疑問はあるが
化け物じみた完成度だと思うし、そこそこ本読んできた人だったら遊べば相当楽しめるんじゃないかとは思う
ただ、文章と韻、演出、音楽音声、これらに関しては本当に素晴らしいと思ったが、物語に対してはそんなこともなく
成長を書ききったというライターの力量と、それに感動できるかどうかは別の話だし



Fateに関するレビューも、桜ルートへの意見で納得できる部分が多い
確かに、あと一つ最後のもう一ルートあってくれれば、とは強く思う
凛ルートでのギルガメッシュ戦が要らない、という意見とかはさっぱり分からん
…………ああ、でもアーチャー戦の分量が増えて、Unlimited Blade Worksぶつけ合うのも格好良いかもなあ



と、まあ、レビューサイト読んでるとそこそこ楽しめるな、とは思った
面倒くさいのでもうやらん