買ってきた

というわけで『ガンドッグ』の感想
及びシステムの確認がてら説明、と


●舞台
2003年から2006年にかけて発生した世界規模の異常気象
それによって世界全体の食料自給率が100%を割り、世界は治安悪化の一路を辿った
そして、2016年
増えつづける重犯罪に治安機構が対応しきれなくなり、テロ事件や営利誘拐事件が頻発する時代
PCは再保険会社ワイズの所持する私兵集団「ガンドッグ」となって、各種事件の解決にあたることになる


再保険会社って何?」


保険会社がリスク回避の為に契約する保険会社
欄外で結構詳しく説明されてる
あと、PCとワイズマンの仲介役であるコーディネーターと呼ばれる連中がいて、実際にはコーディネーターから依頼を受ける形になる
保険案件とは全く関係のない事件を持ちかけられる、というのもアリみたいだね
コーディネーターから直接の依頼を受けたりもするらしい
マフィアとの癒着が噂される悪いコーディネーターとかいる辺りは燃えどころかな


「世界設定の密度は?」


結構ある
世界を各種エリア(北米・エリアとかアジア・エリアなど)に分けた上で、
・代表的なパーソナリティー
・そのエリアの現状
・ワイズの持つ影響力
ガンドッグ知名度や、治安機構との折り合い
などの解説が逐一入る
一押しは、アジア・エリアの呉黄龍
チャイニーズマフィア“蛇眼”の幹部で二丁のベレッタ使い
外見はブラックラグーンの張


「まんまかよ!」


当たり前のようにカッコ良いよな
うお、年表で
『2013年 コロンビアにてアメリカ軍とガンドッグの戦闘?』
『元ガンドッグで構成されたテロ組織“ブラック・ボロサス”結成』
とか燃えるタームが



●PC
八種類のクラスからメインクラスとサブクラスを選択
能力値はポイント割り振り式
その後、年齢・経歴を決定(ROC)
年齢に明らかな有利不利があるのはいまいち
仕方ないとは思うけれどね


以下、クラス紹介
アサルト・武器の運用に長けたクラス
スナイパー・長距離からの狙撃に長けたクラス
スカウト・隠密行動に長けたクラス
デモリッション・爆発物の扱いや重火器の運用に長けたクラス
コマンダー・戦術の立案や指揮・統制に長けたクラス
パイロット・操縦技術に長けたクラス
オペレーター・電子機器類び扱いに長けたクラス
メディック・応急処置や医療技術に長けたクラス


各クラス、クラスアーツ(特技みたいなもの)が六種類用意されていて、メインクラスから三つ、サブクラスから二つ選択
その他、汎用クラスアーツも六種類


「FEAR系の特技に比べると、随分少なく感じない?」


特技というより奇跡の方が近いかな
各クラスアーツ、1シナリオに使えるのは一回
得意とする分野での[成功率]ブーストや[達成値]ブーストを基本として、
1Rに二回行動ができる<ガンアクション>
[部位狙い]による修正を無視できる<ブルズアイ>
移動しながらの行動で受けるペナルティを無視できる<フットワーク>
とか、結構面白いものもある


個人的に強いと思ったのは
上記の<ガンアクション>
1Rの間、戦場全体の命中値に影響を与える、コマンダーの<フォーメーション>
死後30分以内ならばもう一度死亡判定をやり直しさせる、メディックの<リヴァイブ>
など
最強は汎用クラスアーツの<フェイバリット・ウェポン>かなあ
<フォーメーション>と並ぶ


「効果は?」


『習得の際に武器名をひとつ指定
その武器を使用した[行為判定]を、1ミッションに3回まで振りなおすことが可能』
激強だ



●判定方法
判定の基本はD100%で成功判定
同じダイス目を読み替えて2D9+スキルLVが達成値
……この、2D9という何とも決まりの悪い判定方法は………


「00に近いほど達成値が低いんでしょ
2D10にするわけにもいくまいに」


でも、気持ち悪いだろ
まあ、まあ、マインドセットでどうにでもなる
判定成功かつ、1の位が0だとクリティカル
達成値は20+スキルLVになる
「00」はファンブルで「01」は自動成功
意味ないね


「目標値0%以下で判定することはないよねえ」


判定オプションとして、落ち着いて判定できる場合は時間を2倍使用して成功率+20%
あるいは、成功率にー10%の修正を受けるごとに達成値+1
こっちは銃撃戦とかでも使えるっぽいね
対抗判定は能動側有利


「ちょっと珍しいね」


ま、ね



●各種ルール


まず重量管理ルール
PCは体格×筋力(少し違うが)のスロットを所持
アイテムの携行値はα×βの形式で記載されていて、スロットの中に収まるように装備を選択


移動ルール
広い範囲を行軍する戦術移動と、戦闘で使う戦闘移動の二種
相当出来はいいと思う、特に戦術移動


「具体的には?」


移動方法にようメリット、デメリットが分かりやすい
スカウトによる先行偵察が重要
さらに、その手順がスマートで必要以上の手間がかからない
武器の消音レベルがちゃんと影響される
申し分ないな
マップ準備するのが面倒そうだから、どっかから持ってきた方がいいかも
メックウォリアーのマップ、どっかに置いておいたような……


「戦闘移動の方は?」


先行偵察の意味とかはなくなるが、全体的にスマートだよ
屋内では慎重移動がデフォだし
ガラスを割って突入する場合のルールが、
・小窓から突入する場合
・大きな窓から突入する場合
・味方の援護を受けて大きな窓から突入する場合
・ガラスを割るときに受けるダメージ
それぞれに設定されているのはどうかと思うが


情報収集ルール
上出来
一日に三回判定可能で、セキュリティレベルによって難易度や経費が変わる
例として上げられているのは


キーワード「犯人のアジト」
・使用可能スキル:<調達><交渉>
・セキュリティレベル4:−40%(修正)/7(基準達成値)/$500(経費)
情報レベル
レベル1 〜6    アジトの場所がわかる
レベル2 7〜10  敵の人数がわかる
レベル3 11〜13 敵の武装がわかる
レベル4 14〜16 見回りの周期が分かる
レベル5 17〜   不意打ち可能な抜け道を教えてもらえる


素晴らしいよな



●戦闘ルール
えーと……ロール&ロールを読んでいれば感覚は分かる、はず
説明するのはちょっと手間なので割愛するが、遮蔽とって、制圧射撃して、手榴弾使って、みたいなノリは充分以上に再現可能
幾つかのらしいポイントとしては
・指揮官の<戦術>判定対決が、チーム全員のイニシアティブを握る
・部屋などに突入した場合、<状況判断>ロールで人質の有無などを確認
成功したメンバーは、簡易行動でハンドサインを使用し、状況を味方に伝えることができる
・爆発物を車輌の腹に仕掛けておけば、中の人間への車輌の防御値無効



●ターゲット・レンジ・システム
コンピュータのハッキング、狙撃、チェイスなどで使用するルール
行動が成功するまでの過程を5段階に分割し、スタート地点にマーカーをセット
何度かの判定を行うことでマーカーを進め、ゴールに到達するころで作業が完了する


「継続判定みたいなもの?」


まあ、そうかな
例えば、狙撃の場合
・狙撃の機会を待つ
・射撃体勢の確立
・誤差修正
・最終照準
・引き金を引く
の五段階を、作業時間内に終わらせるわけだ
作業が最後まで進行した段階で狙撃は自動命中
クリティカルとなる
色々と応用が利いてさ、例えば要人を狙撃しようとしているヒットマンを別のビルの屋上から狙撃、とかを体感的に表現できる
この場合、相手より早く引き金を引くことが重要になるから、一度の多段階進める高達成値が欲しくなる、とかさ



ルールはこんなところか
付属シナリオは二本
参考作品/資料は、真面目なカウンターテロ物に加えて
リベリオン』『デスペラード』『バイオハザード
辺りもあるのな
あと、攻殻


「ゾンビかよ」


モンスターデータにゾンビあったぞ


「…………」


武器は72種、各イラスト付き
日本刀一押し


「強いの?」


バースト射撃ができるらしい
射撃モードにセミ/バースト、と


「誤植だ、それは」


まあ、真面目な話ダメージ高い
アサルトライフルが使いにくいくらいの近接戦闘だったら最強火力なんじゃないかな
で、防具とか一般アイテムとか武器オプションとかあって
NPCデータ
ゲリラとかボディガードとかの汎用データ
それぞれにチープな写真がついてるんだけどさ、一昔前の敵が実写なガンシューあったじゃん
あれを思い出してほのぼのとした
最初にのってるNPCが「一般市民」でさ
にこやかな米サラリーマンが立ってるわけさ
誤射されて「オーノー」な感じ


「分かるんだか、分からないんだか」


巻末チャートは超優秀
見やすいし、必要なものは殆どあると思う


「高評価だね」


うん、少し驚いた
ルールの出来もそうだけれど、ルールブック自体の出来がかなり良い
まとまっていて読みやすいしね
ターゲッティング・レンジ・システムだけは少し分かりにくいので実例があると良かったかも、くらい
かなり遊びたくなっている
来週中に遊べるといいのだけれど


ん、まあ、明日は書き忘れとか追加とか書く予定