『沙耶の唄』やった

主人公である大学生・匂坂郁紀はトラックの横転事故に巻き込まれて家族を喪った
自身もまた瀕死の重傷を負うが奇跡的に生還
だが目が覚めた郁紀にとって、世界はその在り方を大きく変えていた


人間はおぞましい化け物の姿に
その声は耳障りな奇声に
目に映る景色は臓物を塗り固めたような光景に


郁紀は正常者を装いながら送る生活の中で追い詰められていくが、
ただ一人美しい少女・沙耶と出会い、彼女と共に暮らし始める




結構面白かったとは思うが、序盤が一番素直に楽しめたような気がするなあ
開始直後の引き込み方が素晴らしい
異界じみた光景の中、化け物にしか見えない親友たち相手に生理的嫌悪感を堪えて会話するシーン
この作品、グロ系CGに迫力があるので郁紀の嫌悪感が分かり易いんだよね
クトゥルー作品で探索者が覗いてしまった異界の景色っぽいものを画像として実感できる
話自体は郁紀と沙耶とのラブロマンス
『世界全てよりも君一人の方が大切だ』
というテーマを畸形的に書いてあるというか、何と言うか


「序盤が一番面白いってのは?」


個人的な感想だけどね
このゲーム短めで選択肢も二つしか無い
しかも一つ目の方はエンディング直行なのだけれど
ここで直行するエンディングまでは結構綺麗な話なんだよ
犠牲者も少ししか出ていない上、あっさり喰われるので陰惨さがない


「陰惨さねえ……喰われて?」


死んだ方が発狂するよりかマシだろう
何よりエンディング自体が綺麗で後味爽やか
しかし、その選択肢で別のルートに入った場合
沙耶は郁紀以外に対しての悪意を見せ始めるし、郁紀もまた沙耶の為に人としての道を外れることを選ぶ
結果、親友たちに対して訪れる悲惨な運命
いや瑶は本当に可哀想だった
ホラーもので気弱な女の子の存在はちょっと可哀想過ぎる
ぶっちゃけ、最初のエンディング以外では郁紀に対して、
『何お前が愛とか言ってやがる』
という激しくラブロマンスに不向きな感想を持ってしまうのでいまいちのめり込めない



ああ、ちなみにジャンルはホラー
電気の止められた廃屋を一歩一歩奥に進んでいく感覚とかは良く出ている
日本舞台にしたCoCとかやりたくなった
異能使いで少し考えたが難しそうな感じだなあ