薦められたので

とある魔術の禁書目録』を読んでみた
実のところ、イラストが灰村キヨタカってだけで発売前から興味はあった
そして、あらすじ読んで買うのを控えていた


「出来は?」


面白い
気になる部分は多いが、それでも読んで面白いと思わせるだけの力はあった


舞台は、テストケースとして超能力の開発を行っている巨大学園都
そこで生活する超能力適正0の高校生・上条当麻の前に現れたのは、魔法使いに追われる少女だった


凄く致命的な問題点があってさ
序章で分かることだが、主人公の持つ超能力というのが“幻想殺し”という異能を無効化する力なのだけれど
この能力が『異能でさえあれば例え魔術に対してでも効果を発揮する』というのは、まあいい
というか、この前提がないと活躍できないし
問題なのは、主人公以外の超能力者が一切メインストーリーに関わってこないこと
つまり、この時点で超能力者という設定がすでに不要
『“幻想殺し”は主人公も存在を知らなかった魔術です』というだけで何の問題もない


「あー……絡めるのに丁度いいキャラクターはいたのにねえ」


そだなあ
というかカミナリ少女の扱いの悪さは何なんだ
赤羽以下


「その感想は、普通に分かるレベルじゃないだろう……」


まあ、余計な設定は当然のようにロクに使われもしないわけで
適当の読み流せるので大事ない
次の問題点
主人公はヒロイン助けるために頑張るわけだが
『少女の笑顔が完璧だったから』とか言われても理解できません


「主人公ってそういうもんじゃ?」


動機が不自然なのが問題ではなく、不自然な動機を納得させられない事に問題がある
文章力とか構成の話だな
いっそ結界破壊した責任を感じて、って形になっている方がまだ納得がいく
まあ、この辺の問題も珍しいものではないので『主人公は馬鹿なんだな』と納得して次へ


「というか、これまでの意見を総合するに
『主人公が魔法についての知識を持たず、
突然現れた魔法使いの少女に迷惑をかけてしまったことで責任を感じて世話を焼き、
実は切り札ともいえるような魔法の才能がある』
と、まあ、こういう話を読みたいとでも?」


犬にでも食わせとけ


「…………」



盛り上がらない
特にラストバトルの盛り上がらないこと谷の如し


「何だ、その不思議な表現」


vsステイル戦は面白かった
ルールがあって、その範囲内でどう戦うか、みたいな見せ方ができていたので
術を破られた瞬間、ステイルがどっかから引っ張って来た陳腐な気狂いみたいなロールプレイ始めるのはどうかと思ったが、この辺を見なかったことにして次へ


「なんか、みるみる読むところが減っていくね」


その辺が粗いと称される理由なのだろうけれど
そして、vs神裂戦
信じられないほどつまらない
vsラスボス戦
信じられる程度につまらない
というか、神裂好きなのになあ
全然活躍しないでさ、挙句の果てに精神戦に弱いときた
しかもキレるとかいって、最悪だ


「性格嫌いで、何処が好きなのさ」



「…………」


あとはステイルと神裂の動き方も何かエラく馬鹿っぽい
エンディングは、好きな人は好きだろうね
読んでいる最中に少し驚かされた
まあ、良い出来なんじゃないかな


で、総評
面白い
次作が出るようなら買うね


「これだけ不満点並べて、それか」


あれだ
この先、カッコ良いシーンが展開されるに違いない、という希望をずっと持たせつづけてくれる、というか
読み終わったページに対しての文句が累積していく、というか
まあ、面白かったよ
月姫っぽさは別段感じなかった
好きなキャラクターは月詠
好きな台詞は『刻印はラミネート加工した。』


そしてまろやかに別の本に移行
『エンダーのゲーム』を読み始めた
ハヤカワSFは単価が高いなあ……