読んだ本の話とか

春期限定いちごタルト事件
米澤穂信の最新刊

小鳩くんと小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校一年生
きょうも二人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す
それなのに二人の前には頻繁に奇妙な謎が現れる

というわけで他作品と同様、人の死なない日常の謎ミステリ
創元社推理文庫だけれど、まあラノベだ、ラノベ


ラノベ好きでしょ」


好きだよ
先に結論から書いてしまうが、僕の米澤作品に対する評価は、


氷菓愚者のエンドロール春期限定いちごタルト事件さよなら妖精


古典部シリーズとの一番の差は、キャラクターの魅力だな


「小佐内さん好みじゃなかった?」


んー、いや普通に好きだよ
読んでいる最中ずっと、小佐内さんは果たして萌えキャラなのか否かで悩んではいたが、キャラクタとしては好き
小鳩くんとホータローでは、さすがにホータローの方が好きかな
あのナチュラルな無関心っぷりは是非見習いたい


「ロクなもんじゃないね
で?」


考えてみるに、健吾と千反田との差だ
どちらも作品でも、理由こそ違えど主人公は事件と係わり合いになるまいとしている
そして、そんな主人公を事件へと巻き込むキャラクターが用意されているわけだ


好奇心旺盛なお嬢様が、目を輝かせて『私、気になります!』と言ってくるのと、
マッチョな男が『おい、知恵を働かせろ』と言ってくるのでは自然気構えが違ってくるわけで


「お前の気構えかよ」


千反田が質問してきてホータローがうろたえて、止むを得ず推理に向かうシーンは古典部シリーズの中でも取り分け面白いシーンだろ
その辺りの面白みが薄い気がする


「推理したがる主人公とそれを皮肉気に見ているヒロイン、という構図では?」


多少慌ててはいても、小佐内さんが淡々としているせいであまり盛り上がらない
主人公がひねていて素直に慌てないし、何だかんだ言ってやる気だし
その辺のキャラの関係がいまいち好きじゃなかったので古典部シリーズの方が高い評価
単体としてはそこそこ面白かったが、10回読み返したりはしないだろうな


「そんなに読んでたのか……」


薄いしね、ちょっと読む本ないときに携帯したりしていた
ん、話を戻す
好きだったシーンは、スパムメールを読むところ
あと、二人の関係自体は好きだな
恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある、という説明は上手い


次で古典部シリーズ完結してしまうわけで
その後の作品が面白くなるといいなあ




バーにかかってきた電話
ススキノ・ハードボイルドの二作目
やはりハードボイルドの盛り上がり所は手を引くように言われるシーンだよな
ああ、格好良い


『向こう端にすわった男』
ススキノ・ハードボイルドの短編集
このシリーズの主人公は、意図的にハードボイルドっぽく動いている所があるわけさ
例えば、前述の手を引くように言われるシーンでは、要求を突っぱねながら自分の格好良さにうっとりしたり
で、短編集ではその辺が空回りするような話が多いイメージ
表題作なんて正にそのもの
どんなに格好付けようとしても締まらないような、気の抜けた話が多かった
そこそこ面白いとは思うが、カタルシスが無いので長編の方が好みだね



あとは、帰路に読む本が無かったので何もかも嫌になり、無限のファンタジア買ってきた
明日にでも何かしら書こう



アリスの館7、というかドールズが恐ろしく面白い


現在地下89階で、ドールのLVは115
耐久力+1395%
攻撃力+1014%
EXPボーナス+20
行動阻止率+8
クリティカル率+9
反撃率+3
対ハニー攻撃力+15%
吸収値+6


ただダンジョン潜るだけなのに何なんだ、この面白さは