すっげー面白かった!

七姫物語 第三章 姫影交差』読了
面白かった!
前巻ののんびり具合も何のその、状況が大きく動いて面白くなった
今回、ちゃんと戦記物になってるのが良い
それも、武力によるぶつかり合いではなく、牽制と威圧の根回しの戦争な辺りが七姫らしい


要所、四宮ツヅミを押さえた新興の七宮カセン
ツヅミと同盟関係にあった三宮ナツメは物資の流通を押さえられ、ツヅミ解放の大義名分で軍を出した
現在の軍事バランスを崩したくない姉妹都市五宮クラセと六宮マキセは、カセンとナツメの停戦を要求
また、これを勢力拡大の機と捉えた二宮スズマは大軍を率いて川を下る
そして、スズマの動きを牽制するべく、最大勢力一宮シンセンも動き出していた


これだけの組織がそれぞれの思惑で動く話
華々しい合戦シーンとかがあるわけでもないので、250pの辺りで少しだれたるかも



今回の一押しは三宮の姫、常盤
武家に生まれ、真っ直ぐな気性の剣姫
「シドウよ、私は夢見てきた。華やかな古典にある武家武家の争い。武芸者の斬り合い。軍と軍の知力を尽くした戦い。そこに力を貸したいと思い、ここまでやってきた」
「誰も望まぬか、今時に戦らしい戦など」


こういうキャラは好きだね
今回は空澄よりも目立っていた感じ
今後一気に出番が増えそうなので楽しみだね


ああ、あと、今回はカラカラとヒカゲの出番が殆ど無い
二巻の逆


一番好きだった台詞はこれかな
「蹴散らしなさい。外交問題にはなりません」
スズマに扇動された暴徒を前にしての発言
言うのは勿論あの姫だ



七姫物語は、現行の電撃文庫作品の中でもダントツで高評価している
作者は後書で遅筆を誤っているのだけれど、こと小説において拙速なんざ犬の餌にもならんわけで
今のままのクオリティを維持さえしてくれれば、一冊出すのに一年や二年かけて貰っても一向に構わん
それはそれとして皇国の守護者の12巻は何時出るのか
僕の予定では四ヶ月前に出ている筈だったのだけれど


で、七姫
文章の綺麗さでは1,3,2
話の面白さでは3,1,2
かな
一巻の文章で戦記物は難しそうだから仕方ない
今後にも期待