んでは

ちょっと前にやっていたエロゲーの話


水仙
http://suisenka.prpage.jp/top.htm


許せようか!?
認められようか!?
この仕打ちを受け入れられようか!?
――否!
断じて、否!
出来るはずが無い!
出来ようはずが無いッ!
見よ、屍を!
あの、空高く積み上げられた人垣を!
その頂にて光り輝く、清純の少女の姿を!
真に清らかな、赤い、鮮やかに咲き誇る薔薇の花を!
立ち上がれ、虐げられ続けてきた者達よ!
迎え撃て、侵略者を!
妥協という名の平和――
欺瞞に満ちた日常――
それらを武器に襲い来る、少女浪漫の帝国から――
我等の世界を守り抜け!


檄文引用:本編「少女王国の復興」内・SCENE27「その死は決起を促した」より



僕はオフィシャルサイトにあった、この一文で落ちた
このハッタリ効いた文章とか大好きで、もう
前に少し書いた話もこれ



物語のクライマックス
絶体絶命の状況
主人公は懐にある、亡き友人の残した最後の煙草に火をつける
初めての煙草にむせかえり、無様に咳き込んで、枯れた声で小さく笑う
『どうだい、格好良いだろう?』


簡単に紹介しようか
まず、このゲームは感想スレとかで思いっきり叩かれていた
その理由は分かり易い
ヒロインが男だったから


「凄いね
でも、オフィシャルサイトの画像見れば分からない?」


発売日過ぎるまでモザイクかかっていた
まあ、これが第一の壁
もう一つの壁は、この作品思いっきりメタ視点での話なんだよ


「俺たちは物語の登場人物だったんだ!みたいな?」


正にそう
ただ、物語の最後での安易などんでんとしてのそれではなく、しっかりとした主題にはなっているからこれについての不満はない
かなり早い段階からそれは分かるしね
登場人物毎に、その事実についてのスタンスが異なっているのが面白い


『その事実に気が付いていない』
『その事実に気が付かないフリをしている』
『その事実に薄々気づいており、真実を渇望する』
『その事実を知っており、美しい感動の為だけに積み上げられた犠牲たちの復讐を願う』
『主人公(ヒーロー)』
『ヒロイン』


“主人公(ヒーロー)”大柳光一が“ヒロイン”と出会うことで物語は始まる
物語における主人公とは何か
ヒロインとは何か
主人公の選択は何かを変えうるのか、そんな話


幕間とかあるしね
主人公と才人との問答めいたやり取り
『残念ながらね……この交わりは誰の心にも残りやしない』
『斯様な幕間でのやり取りに、物語の筋をどうこうできよう筈もない』
『これは私にのみ許された不条理』


僕は文章だけで好きになれる
人には勧めない