色々と引き続き

『呪の血脈』加門七海 読了
主人公的な人物は二人
周囲で事故が頻発する体質で、他人を寄せ付けようとしない男・高藤正哉
大学の研究室で民俗学を学び、盗作を繰り返す教授を疎む男・宮地紀之
二人が信濃の山村に残る祭りに飲み込まれ、そこから起こる悲劇に巻き込まれていく話


とにかく巧い話だった
地方に残る因習
異常に飲み込まれてゆく日常
神話への准えと展開される幻想
これでもかというくらいバランス良く展開されていく伝奇ホラー
これは面白かった
うざいキャラが悉く死んでくれるのが実に良い
あと、正哉のキャラクターは良かったな
淡々と死を見続ける冷静さに安心感がある



にしても、幾つかホラー読んだ上での感想なんだが『Missing』は相当出来が良かったんだな
一巻は未熟さ、というか悪い意味でラノベ的な部分が目立ったのだけれど、それ以降の巻では随分と完成度の高いホラーを書いていたと思う
っつか、あれだけ読んでればホラーの醍醐味は十分掴めると思った
ホラー文学の造詣深い人の感想とか読んでみたいものだね
沙耶の唄』とか